難病特集:リンパ脈管筋腫症(LAM)
リンパ脈管筋腫症(LAM)に対する漢方医学漢方薬の効果と経験症例
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‖概念定義
リンパ脈管筋腫症(LAM)は、平滑筋様の腫瘍細胞(LAM細胞)が肺や体軸リンパ節などで増殖し、肺に多発性嚢胞を形成する、緩徐進行性かつ全身性の腫瘍性疾患である。結節性硬化症(tuberous sclerosis complex ; TSC)に伴って発生するTSC-LAMと、単独で発生する孤発性LAMとに分類される。主として妊娠可能年齢の女性に発症し、進行に伴って労作時呼吸困難、咳嗽、血痰、乳び胸水などの症状や所見を認める。自然気胸を反復することが多く、女性自然気胸の重要な基礎疾患のひとつである。腎臓などに血管筋脂肪腫(病理学的に平滑筋様細胞のほか脂肪細胞と血管成分とを含む)を合併することがある。肺病変が進行すると呼吸機能が低下し呼吸不全を呈するが、進行の速さは症例ごとに多様であり、年余にわたり肺機能が保たれる症例もある。
本疾患は1940年前後から症例報告がみられ、1968年、Frackらによりpulmonary lymphangiomyomatosisという疾患名が用いられ、1977年、Carringtonらによりpulmonary lymphangioleiomyomatosisという疾患名が用いられた。本邦では、1970年、山中、斎木が 2 例の剖検例と 1 例の開胸肺生検例を検討し、「び慢性過誤腫性肺脈管筋腫症」として報告したのが最初である。現在では lymphangioleiomyomatosis という疾患名でほぼ統一されている。平成21年10月から、厚生労働省難治性疾患克服研究事業でも「肺リンパ脈管筋腫症」は「リンパ脈管筋腫症」に疾患名が変更された。
‖疫学
まれな疾患であるため有病率や罹患率などの正確な疫学データは得られていない。平成15年度と18年度に厚生労働省難治性疾患克服研究事業「呼吸不全に関する調査研究班」(以下研究班)で全国の医療施設を対象とした2回の疫学調査が行われ、264人の患者情報が集まり検討された。その結果、本邦でのLAMの有病率は100万人あたり約1.9~4.5人と推測されている。米国などからの報告でも人口100万人あたり2~5人と推測されている。平成21年度からLAMは特定疾患治療研究事業の対象疾患となっているが、平成23年度のLAMの医療受給者数は439人であった。
一方、TSCに合併するLAM患者数に関しては、TSC女性症例の肺の26~40%にのう胞性変化(肺LAM)を認めると報告されており、本邦のTSC-LAM患者数は2000~4000人と推測されている。
‖病因
LAMはTSC-LAMと孤発性LAMに分類されるが、両者ともTSCの原因遺伝子として同定されたTSC 遺伝子の異常が発症に関与している。TSCは全身の臓器に種々の過誤腫を形成する遺伝性疾患であるが、原因遺伝子としてTSC1(第9染色体)とTSC2(第16染色体)が同定されている。TSC1とTSC2はいずれもKnudsonの"2-hit theory"で説明される腫瘍抑制遺伝子と理解され、それぞれは蛋白質ハマルチン(Hamartin)と蛋白質ツベリン(Tuberin)をコードしている。両蛋白質は結合して複合体となり、細胞内シグナル伝達系として知られるAkt経路において、Rhebと呼ばれる低分子量G蛋白質を介してラパマイシン標的蛋白質(mammalian target of rapamycin ; mTOR)を抑制し、細胞の増殖や成長を調節している。そのため、TSC1またはTSC2の遺伝子変異によりハマルチン/ツベリン複合体が機能を失うと、恒常的にmTORが活性化された状態となり過剰な細胞増殖などにつながる。TSCでは先天的にTSC1またはTSC2のいずれかで片方の対立遺伝子の変異を有しており、後天的にもう片方の対立遺伝子にも変異が生じることによって腫瘍病変が出現すると考えられている。一方、孤発性LAM は体細胞においてTSC2 遺伝子変異(2-hit)が生じることにより発生すると考えられている。
TSC 遺伝子異常により形質転換した LAM 細胞は、病理形態学的には癌と言える程の悪性度は示さないがリンパ節や肺に転移し、肺にはびまん性、不連続性の病変を形成すると考えられている。また、LAM細胞はリンパ管内皮細胞増殖因子であるVEGF-CおよびVEGF-Dを強く発現し、LAM病変内には豊富なリンパ管新生を伴っており、LAM病変の進展や転移にリンパ管新生が中心的役割を担っている可能性が考えられている。
‖症状病態生理診断
主に妊娠可能年齢の女性に発症し、平均発症年齢は30歳台中頃であるが、閉経後に診断されることもある。男性では、TSC-LAMの報告があるが、孤発性LAMは極めて稀である。肺病変の進行に伴い労作時呼吸困難が出現することにより、または自然気胸を契機として診断される場合が多いほか、無症状のまま胸部検診での異常影として発見される場合がある。その他の症状として咳嗽、血痰、喘鳴などの呼吸器症状や、乳び胸水または腹水、下肢のリンパ浮腫、腹部腫瘤(リンパ脈管筋腫、lymphangioleiomyoma)、腎血管筋脂肪腫に伴う症状(腹痛、血尿、貧血など)を認める場合がある。
肺への嚢胞形成には、LAM細胞からのプロテアーゼの産生と活性化が関与すると考えられており、気胸は胸膜直下に生じた嚢胞が破綻することにより頻回に合併すると考えられる。乳び胸水や腹水は、リンパ路の障害やLAM病変を介することによる乳びの漏出によると考えられる。
聴診を含めた理学所見では、一般に特徴的なものはないが、TSCを合併している場合には、顔面の血管線維腫、爪囲線維腫、白斑などの皮膚病変を認めることがある。肺の高分解能CT画像は診断に非常に有用で、境界明瞭な薄壁を有する嚢胞(径数mm~1cm大が多い)が両肺野にびまん性に散在する像が特徴的である。胸部単純写真はCTに比べて感度が低く、正常、網状陰影、過膨張、胸水、等々の所見が病期に応じて認められる。呼吸機能検査では、肺拡散能の低下、閉塞性換気障害が最も多く認められる。腹部画像検査で腎血管筋脂肪腫やリンパ脈管筋腫(後腹膜腔や骨盤腔の腫瘤影)を認めることがある。
女性において肺の高分解能CT画像でLAMに特徴的な所見が得られ、臨床的にTSCの診断が得られるか(この場合、大症状としてのLAMを除外する)、血管筋脂肪腫、乳び胸水または腹水、リンパ脈管筋腫のいずれかの所見が伴う場合は臨床的にLAMの診断が可能であると考えられるが(Eur Respir J 2010 ; 35 : 14-26)、他の嚢胞性肺疾患の除外も注意深く行われなければならない。確定診断のためには経気管支肺生検や胸腔鏡下肺生検、あるいはリンパ節病変からの生検によるLAM細胞の確認が必要であるが、有用性とリスクを鑑みて手技を選択する必要がある。乳糜胸水や腹水中にはLAM細胞クラスターが検出され、LAMの診断が可能な場合がある。最近の研究により血清バイオマーカーとしてのVEGF-Dの有用性が報告されており、臨床的に利用できるようになれば、今後診断の一助となると思われる。
本邦における診断基準の詳細は、研究班による「リンパ脈管筋腫症 lymphangioleiomyomatosis(LAM)診断基準」を参照されたい(日本呼吸器学会雑誌46:425-427, 2008. 本ホームページからダウンロード可)。尚、本ホームページからLAMの認定基準「53.リンパ脈管筋腫症(LAM)」も参照されたい。本認定基準は特定疾患医療費助成認定のための基準であり、LAM診断基準にほぼ整合性をもたせかつ簡略化して作成された。
‖治療
本症の病状や進行速度には個人差があり、個々の症例に応じた治療方針の決定が必要である。無治療でも肺機能や画像所見の著しい悪化を認めない症例もある。症状や合併症を認める場合はそれに対する治療を行う。閉塞性換気障害を認める場合、β2刺激薬や抗コリン薬などの気管支拡張薬が有効なことがあり、単独あるいは併用して投与する。本症の発症と進行には女性ホルモンの関与が推測されるため、経時的に肺機能が悪化する症例では、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gonadotropin releasing hormone, GnRH)やプロゲステロン製剤などの投与によるホルモン療法が考慮される。しかし、ホルモン療法の効果に関して一定の見解はなく、慎重に対応を行う。LAMでは気胸の再発が多くみられるため、早期に胸膜癒着術や外科的治療を行い再発防止策を講じる必要がある。胸膜癒着術を行った場合、将来的に肺移植が必要となったときに、癒着剥離による手術時間の延長や出血量の増加が起こり得るが、癒着術の既往が肺移植の適応外となることはない。乳び胸水または腹水に対しては脂肪制限食を基本とするほか、胸膜癒着術や腹腔静脈シャント留置などが必要となる場合がある。腎血管筋脂肪腫は基本的には経過観察を行うが、出血のリスクに関して関係診療科と連携のうえ判断を行う。肺病変の進行により呼吸不全に至った症例では呼吸リハビリテーションと酸素療法がCOPDなどの他疾患と同様に検討される。末期呼吸不全に対して肺移植が適応となるが、移植肺にLAMが再発し得ることが知られている。治療の詳細に関しては、研究班による「リンパ脈管筋腫症 lymphangioleiomyomatosis(LAM)の治療と管理の手引き」を参照されたい(本ホームページからダウンロード可)。
2006~2010年に米国を中心に行われた国際多施設共同試験の結果から、mTOR阻害薬であるシロリムスのLAMに対する有効性が報告された。本邦においても2012年より治験が開始されており、安全性面などに関する検討のうえ実用化が待たれている。
尚、妊娠、出産は患者にとって重要な課題であるが、病状が悪化する可能性がある。必ずしも禁忌とは言えないが、妊娠、出産がLAMの病勢へ及ぼす影響と、その時点でのLAMによる呼吸機能障害の程度、胎児に与える影響など総合的に考慮し慎重に考える必要がある。
‖経過予後
臨床経過は多様であり、慢性に進行し呼吸不全に至る予後不良な症例もあれば、無治療でも進行が緩徐で長期間にわたり呼吸機能が良好に保たれる症例もある。しかし、LAMのうちどのくらいの割合が安定した経過を示すのか、言い換えれば、どのくらいの割合のLAMが進行して重症化しやすいのか、明らかにはなっていない。
平成1518年度に本邦で行われた全国調査の結果、10年予測生存率は85%であったが、横断的調査であり参考値である。米国LAM Foundationによる登録患者410症例からの解析の結果、10年生存率(移植なし)は86%と報告されている。予後を予測する因子として、肺の病理組織学的重症度やCTによる嚢胞性病変の定量評価、肺拡散能や1秒量などの呼吸機能に関する報告がなされている。上記の全国調査において、労作時の息切れを初発症状とする症例では自然気胸を初発症状とする症例に比して生存率が有意に低下していたが、過去に比して早期診断される傾向にある昨今においては一概にいえず、やはり症例毎の経過観察が重要と考えられる。高齢または閉経後の発症において、予後が良好との報告もなされている。
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