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難病特集:重症急性
       


重症急性に対する漢方医学漢方薬の効果と経験症例
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‖はじめに
急性膵炎は急性腹症の一つであり、重症化した場合には死亡率が高い疾患です。重症急性膵炎の予後を改善するためには、わが国における本疾患の現状を正確に把握し、診療指針を示し、有効な診療体系を構築することが大切です。厚生労働省難治性疾患克服研究事業 難治性膵疾患に関する調査研究班は、2008年 10月に急性膵炎の診断基準および重症度判定基準を改訂しました。急性膵炎は正確な診断のもとに適切な初期治療をできるだけ早く開始することが重要と考えています。また、本研究班は重症急性膵炎患者の救命率を改善するためには早期の集中的治療の介入が必要と考えており、特殊な装置がなくても、いつでも簡便に重症度判定ができるよう重症度判定基準を改訂しました。重症度判定基準の改訂により、搬送基準などに一部変更が必要となり、2009年 7月には「急性膵炎診療ガイドライン」が、日本腹部救急医学会、日本肝胆膵外科学会、日本膵臓学会、日本医学放射線学会と難治性膵疾患に関する調査研究班の共同で改訂されました。また、本研究班は、最近のわが国における急性膵炎の実態を調査するために、2007年に全国の病院を受療した急性膵炎患者について全国疫学調査を行いました。皆様には、2007年のこの全国調査が旧重症度判定基準に基づいて行われており、本ホームページに収載された情報も一部、旧基準と新基準によるものが混在していることをご了承くださいますようお願い致します。
‖概念定義
急性膵炎とは、膵臓の内部および周囲に急性病変を生じた病態であり、重症度によって軽症と重症に分けられます。急性膵炎は、致命的経過をとることがある重症例を除き、一般的には可逆性であり、臨床的回復後約 6 か月経過すると、膵臓は機能的・形態的にほぼ旧に復するとされます。
‖疫学
厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班による全国調査の結果、2007年1年間の急性膵炎推計受療患者数は57,560人(95%信頼区間 48,571~66,549人)でした(図1)。1987年の全国調査以降、推計受療者数は増加を続けています。全国調査の2次調査で集計された急性膵炎 2,256例中、男性は 1,496例、女性は 760例で、男女比は2.0 :1でした。男性は 50歳代が最も多く、平均年齢は 56.6歳であり、女性は 70歳台に最も多く、平均年齢は 64.69歳でした(図2)。一方、重症急性膵炎は、男性が女性の1.8倍、平均年齢は62.4歳でした。男性は70歳代、女性は80歳代が最も多く、男性患者の平均年齢は58.9歳、女性は68.6歳と、男女ともに急性膵炎全体の発症年齢より高齢でした。


診断時重症度別の患者比率は、軽症が67.0%、中等症が16.2%、重症が23.8%であり、重症例の割合は前回2003年の全国調査における30.8%に比べて減少していました。
表 1. 重症度別患者数
重症度
総数
男性
女性
軽症
1234 (64.2%)
820 (65.1%)
414 (67.0%)
中等症
273 (14.2%)
173 (13.7%)
100 (16.2%)
重症
414 (21.6%)
267 (21.2%)
147 (23.8%)
合計
1921 (100%)
1260 (100%)
661 (100%)

‖成因

急性膵炎のもっとも多い成因はアルコールであり、以下、胆石性、特発性の順でした(表2)。成因には男女差がみられ、最も多い成因は、男性ではアルコール、女性では胆石でした。
表 2. 2007年 1年間に発症した急性膵炎患者2256例の成因


そのほかの成因として、術後(1.9%)、高脂血症 (1.4%) 、膵胆管合流異常 (0.5%) や薬剤(0.5%) による急性膵炎があげられます。


図 3.急性膵炎の年齢別成因頻度

急性膵炎の成因には年代別の特徴がみられます。つまり、アルコール摂取の少ない10歳代には特発性が多く、20-50歳代にはアルコール性の頻度が高くなります。胆石性の頻度は加齢に伴い増加します(図3)。
‖症状
表3. 2007年全国調査で集計された急性膵炎症例の初発症状

初発症状
急性膵炎全体
重症急性膵炎

腹痛
88.6%
88.9%

嘔気嘔吐
18.7%
25.4%

背部痛
11.1%
12.3%

発熱悪寒
5.0%
7.2%

食欲不振
3.0%
3.9%

軟便下痢
2.5%
5.3%

腹部膨満感
2.1%
2.2%

黄疸
1.2%
1.0%

全身倦怠感
1.1%
2.4%

イレウス
0.8%
1.0%


急性膵炎の初発症状として腹痛が最も多くみられますが、腹痛の程度は個人差が大きく、疼痛に対する感受性が低い高齢者や合併症を有する重症急性膵炎では無痛性急性膵炎も経験されます。また、腹痛の程度と膵炎の重症度とは相関しません。
上腹部痛の次に多いのが嘔気嘔吐です。嘔吐は激しく何時間も続くことがありますが、嘔吐によって腹痛が軽減することはありません。
腸管麻痺が加わると腹部膨隆や鼓腸が観察され、イレウス症状を呈します。重症例で後腹膜腔や腹腔内へ出血すると、紫色斑が側腹部(Grey-Turner’s sign)や臍周囲(Cullen’s sign) の皮膚に認められることがあります。
他覚所見の特徴として、腹痛が激しく、ショックなどを伴い全身状態が不良なわりに腹部所見が乏しく、筋性防御などの腹膜刺激症状も上腹部に限局することが多いことがあげられます。
重症急性膵炎では血管透過性が亢進して体液が third space へ移行し、有効循環血漿量が減少してしばしばショック徴候が認められます。消化管出血、腹腔内出血等の出血傾向を呈し、DIC (disseminated intravascular coagulation播種性血管内凝固症候群)へと移行します。さらに、膵臓から逸脱したホスホリパーゼA2 (PLA2)により肺胞毛細血管が傷害され、ARDS(acute respiratory distress syndrome 急性呼吸促迫症候群)や呼吸不全が生じます。
急性膵炎は本来無菌的に発症することから、白血球増多を伴う38℃以上の発熱を認めた場合には、壊死組織に感染が合併した可能性を考える必要があります。壊死部に感染が成立すると感染性膵壊死となり、敗血症を惹起します。
‖診断
急性膵炎の診療においては、早期に診断し早期に治療を開始することが重要です。腹痛は90%近い患者に認めますが、腹痛のない、無症状の急性膵炎患者がいることにも留意する必要があります。消化器症状のある症例では、鑑別診断として急性膵炎を念頭におくことが大切です。問診、理学所見、アミラーゼ、リパーゼなどの血液検査、腹部単純レントゲン撮影、腹部超音波検査、CTなどの画像所見から、急性膵炎の診断を迅速に行います。

1)急性膵炎臨床診断基準  (2008年改訂) 
1) 上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある。
2) 血中、または尿中に膵酵素の上昇がある。
3) 超音波、CTまたはMRIで膵に急性膵炎に伴う異常所見がある。
上記 3項目中 2項目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎と診断します。ただし、慢性膵炎の急性発症は急性膵炎に含めます。膵酵素は膵特異性の高いもの(膵アミラーゼ、リパーゼなど)を測定することが望ましいとされています。
2)急性膵炎の重症度判定基準  (2008年改訂)
A.予後因子
原則として発症後 48時間以内に判定することとし、以下の各項目を 1点として、合計  したものを予後因子の点数とします。

1. Base excess ≦ -3 mEq/lまたはショック
2. PaO2 ≦ 60 mmHg (room air)または呼吸不全
3. BUN ≧ 40 mg/dl (またはCr≧2.0 mg/dl)または乏尿
4. LDH ≧ 基準値上限の2倍
5. 血小板数 ≦ 10万/mm3
6. 総Ca値 ≦ 7.5 mg/dl
7. CRP ≧ 15 mg/dl
8. SIRS診断基準における陽性項目数 ≧ 3
9. 年齢 ≧ 70歳

予後因子が3点以上を重症、 2点以下を軽症と判定します。

 B.造影CT Grade
原則として発症後48時間以内に判定します。
炎症の膵外進展度と膵の造影不良域のスコアが合計1点以下をGrade 1とし、2点をGrade 2、3点以上をGrade 3と診断します。
造影CT Grade 2以上を重症、Grade 1以下を軽症と判定します。
1.炎症の膵外進展度
1) 前腎傍腔    0点
2) 結腸間膜根部  1点
3) 腎下極以遠   2点
2.膵の造影不良域: 膵臓を便宜的に膵頭部、膵体部、膵尾部の3つの区域に分け、
1) 各区域に限局している場合、または膵の周辺のみの場合  0点
2) 2つの区域にかかる場合  1点
3) 2つの区域全体をしめる、またはそれ以上の場合  2点

炎症の膵外進展度


C. 急性膵炎重症度判定基準
重症急性膵炎: 予後因子3点以上または造影CT Grade 2以上
軽症急性膵炎: 予後因子2点以下および造影CT Grade 1以下
来院時軽症でも急激に重篤化する場合があります(特に発症後 48時間以内)。
急性膵炎の膵不染域の判定や、合併症の診断には造影CTが必要です。しかし、造影に伴う膵炎や腎機能の増悪、アレルギー反応等の可能性に留意する必要があります。
重症度判定基準の予後因子スコア 3点以上で重症と判定された症例は、重症急性膵炎に対応可能な施設に搬送します。初期に予後因子スコアが2点以下であっても、経時的に重症度判定を行い、基準を満たせば搬送を考慮します。
‖致命率
1) 急性膵炎の致死率 (表4)
表4. 2007年全国調査で集計された急性膵炎 1921例の重症度と致命率

重症度
転帰判明者
死亡数
膵炎関連死
膵炎非関連死
致命率
軽症
1234 人
19 人
3 人
16 人
0.2%
中等症
273 人
6 人
1 人
5 人
0.4%
重症
414 人
51人
33 人
18 人
8.0%

1921 人
76 人
37 人
39 人
1.9%

2007年発症の急性膵炎 1,921例の致命率は軽症急性膵炎では 0.2%、中等症では 0.4%、重症急性膵炎では 8.0%で、急性膵炎全体では 1.9%でした。重症急性膵炎の致命率は著明に改善してきましたが、やや下げ止まり傾向もみられます(図4)。

図4. 重症急性膵炎致命率の推移

重症急性膵炎の死亡例を年齢別に解析すると、30歳未満では死亡例がなく、60歳代までが7%未満ですが、70歳代で17%、80歳以上で12.6%と、70歳を超えると致命率が上昇します (図5)。なお、急性膵炎に関連した死因を解析しますと、多臓器不全が59.5%と最も高頻度であり、敗血症(13.5%)、心不全循環不全(8.1%)、消化管出血腹腔内出血(8.1%)が続いていました 。



図5. 重症急性膵炎の年齢別致命率
        
‖治療
急性膵炎と診断した患者は入院治療を原則とします。急性膵炎では血圧、脈拍数、呼吸数、体温、尿量などのモニタリングが必須であり、静脈ラインの確保と十分な輸液、必要に応じて呼吸管理を行いながら、重症度判定、成因検索等を進めます。予後因子スコアで重症度を判定し、重症であればgolden timeが48時間であることを念頭において、重症急性膵炎に対応可能な施設への搬送を検討します。初期には軽症であっても経時的に重症度判定を行い、基準を満たせば搬送を検討します。
1) 基本的診療方針
急性膵炎では常に重症化を念頭に置いて、最初の 2~3日間は全身的な集中管理と治療を実施します。入院当初、予後因子スコアが2点以下の症例でも、経過によっては重症化する可能性があります。重症度に応じたモニタリング、呼吸循環管理、絶食による膵の安静、十分な除痛、膵局所合併症の予防が基本となります。
発症から2週間までの主たる急性膵炎の死因は、SIRS(全身性炎症反応症候群)によって血管透過性が亢進し、循環血液量が減少することによるショックです。一方、それ以降では、膵や膵周囲の壊死部分の感染や膵膿瘍など、感染性合併症から敗血症、多臓器不全をきたして死に至ることが多くなります。そのため、発症早期には十分な輸液が、後期には感染症対策が重要となります。
(1) 鎮痛薬
急性膵炎における疼痛は激しく持続的であり、ブプレノルフイン塩酸塩やペンタゾシンなどを使用します。これら薬剤は頻回に用いるとOddi括約筋を収縮させ、膵液の流出を障害して膵炎を進展させることから硫酸アトロピンを併用します。
(2)初期の十分な 輸液
輸液の最も重要な目標は循環動態の安定、すなわち、血圧、脈拍(発症前と同程度)の維持と適正な尿量の確保です。早期の死亡原因は初期の輸液不足によるショックが多いとされます。最低0.5 ml/kg/時間の尿量が確保されるよう十分量の輸液を行います。合併する呼吸不全には、人工呼吸管理で対応します。急性膵炎の初期輸液には細胞外液(アセテートリンゲルあるいはラクテートリンゲルなど)を用います。健常成人は1日水分量として 1,500~2,000 ml (30~40 ml/kg) を必要としますが、急性膵炎時にはこの2~4倍量(60~160ml/kg)の輸液が必要とされます。急性膵炎の重症度は刻々変化するため、当初は軽症であっても十分な輸液を行い、注意深く経過観察を行います。最初の6時間程は特に大量の輸液 (1日必要量の約1/2~1/3)が必要とされます。約6時間後に血圧、脈拍、尿量など前述の指標を再評価し、その後の輸液計画をたてます。軽症例で循環動態が安定し、尿量が維持されていると判断した場合には輸液投与量と速度を減量します。輸液速度や量が過剰だと、特に心肺腎機能が低下した患者や高齢者では肺水腫をきたす可能性があり、血圧、脈拍、尿量、中心静脈圧などを指標にして調節することが大切です。中心静脈圧 8~10cm H2O、時間尿量 50 ml以上を目安に輸液量を調節します。重症の急性膵炎で、体重 60 kgの患者では1日輸液量は約 3,600~9,600ml/日、6時間量約 1,200~4,800mlが必要となります。
(3) 抗菌薬
グラム陰性菌を中心とする腸内細菌がbacterial translocationによって膵および膵周囲に感染症を引き起こした場合、致命的な合併症となりえます。これら膵局所感染を予防することが、重症急性膵炎における抗菌薬投与の目的です。抗菌スペクトラムが広く、膵組織移行性の良いカルバペネム系のイミペネムやメロペネム、ニューキノロン系のシプロフロキサシンなどの抗菌薬が推奨されます。なお、軽症例での予防的な抗菌薬の投与は必要ありませんが、胆管炎合併例では投与を検討します。
(4) 蛋白分解酵素阻害薬
わが国では、急性膵炎に対して蛋白分解酵素阻害薬の静脈内投与が広く行われています。急性膵炎の本態は膵酵素による自己消化と考えられていますが、炎症は膵にとどまらず、膵組織の傷害により過剰に産生された液性因子を介して全身に及ぶことがあります。したがって、重症例では全身への炎症の波及と臓器障害の合併を阻止し、さらにはすでに合併している臓器障害を適切に治療することが重要になります。異所性に活性化された膵酵素活性の抑制と、血液凝固血小板凝集を抑制し、DICや多臓器不全への進行を阻止する目的で蛋白分解酵素阻害薬を発症早期から大量(常用量の2倍程度からDICの際に使用する量)に持続投与します。酵素阻害薬投与は膵炎発症後、早期に開始するほど有効性は高いとされます。
2)特殊治療
(1) 蛋白分解酵素阻害薬抗菌薬膵局所動注療法
【原理と方法】蛋白分解酵素阻害薬が肝臓で不活化されるのを回避し、膵壊死部に高濃度の蛋白分解酵素阻害薬と抗菌薬が到達できるように、膵壊死部を灌流する動脈(膵頭部の壊死に対しては総肝動脈または上腸間膜動脈、膵体尾部の壊死に対しては脾動脈)にカテーテルを留置して、蛋白分解酵素阻害薬と抗菌薬を持続動注する治療法です。
【目的】膵壊死の進展阻止と感染性膵壊死の発症を阻止すること。すなわち、膵局所の炎症を強力に押さえ込むことで全身性合併症の進展を阻止することを目的とします。
【適応】重症急性膵炎で、腹部造影CT検査において膵実質に造影不良域がみられる場合(膵の虚血または壊死)が適応となります。
【開始時期】急性膵炎の病変が膵局所に限局している発症後3日以内(48時間以内が最も望ましい)。 
【施行期間】5~7日程度(通常5日)。膵の壊死範囲が広範な場合は、感染予防のために動注療法が終了しても抗菌薬を経静脈的に(通常の点滴静注法で)さらに1週間程度投与します。蛋白分解酵素阻害薬としては、ナファモスタットメシル酸塩あるいはガベキサートメシル酸塩を用い、DICの治療に必要とされる投与量に相当する量を輸液ポンプによって24時間持続的に動注します。抗菌薬には、抗菌スペクトラムが広く、膵組織移行性の良いカルバペネム系のイミペネムやメロペネムなどを用います。
【保険適応】重症急性膵炎に対する動注療法は現在のところ保険適応がありません。患者家族には、この点をよく説明し、同意を得ておく必要があります。
(2) 持続的血液濾過透析(CHDF)
水分負荷が過剰であるものの利尿が十分得られない場合などの水分管理に適応となりますが、炎症性サイトカインなどのケミカルメディエーターの除去にも有用との報告がみられ、尿量が十分あっても積極的に導入する施設もあります。現在のところ、重症急性膵炎の患者に対しては、概ね 8回を限度として保険適応が認められています。
(3)経腸栄養
急性膵炎の経腸栄養療法に関する無作為化比較試験(RCT)が複数行われています。このような検討の結果、軽症例のみならず重症例でも早期からの経腸栄養が、中心静脈栄養に比べて合併症、特に感染性合併症を減少させること、入院期間や医療費を減少させることが示されています。機序のひとつとして、経腸栄養を行うことによって、腸管からのbacterial translocationが予防されることが想定されています。
3) その他
(1)外科的治療
急性膵炎の手術適応として世界的に合意が得られているのは、感染性膵壊死を生じた場合です。膵膿瘍も感染性膵壊死とともに手術適応の一つですが、大部分が液状の膿汁貯留を本態とすることから、最近では経皮的または内視鏡的ドレナージで治療される症例が増えています。
(2)胆石性膵炎における胆道結石に対する治療
成因として胆石性が疑われ、胆管炎の合併や、黄疸の出現や増悪などの胆道通過障害を疑う症例については、内視鏡的逆行性胆管造影および乳頭括約筋切開術(ERC +ES)を早期に行うことが推奨されます。この場合、膵管造影を可能な限り回避することが望ましいとされます。また、胆嚢結石を有する場合には、膵炎鎮静化後速やかに胆嚢摘出術を行うことが推奨されています。
(3) ERCP後膵炎の予防
ERCP後膵炎高危険群(Oddi括約筋機能不全、ERCP後膵炎の既往、カニュレーション困難例、バルーン拡張例、precut sphincterotomy施行例、乳頭切開例、膵管挿入(ブラシ細胞診)など)には、予防的な膵管ステント留置が有用と報告されています。
‖転帰
2007年発症の急性膵炎 1,921例の致命率は軽症急性膵炎では 0.2%、中等症では 0.4%、重症急性膵炎では 8.0%で、急性膵炎全体では 1.9%でした。急性膵炎の長期予後は比較的良好であり、多くは発症前と同じ状態にまで回復し社会復帰することが可能です。しかし、後遺症として膵内外分泌機能障害(糖尿病や消化吸収障害)を残したり、アルコール性などでは急性膵炎を再発することがあります。2007年の全国調査では、急性膵炎全体では91.2%の患者さんが入院前と同じ生活状況にまで回復しています。一方、重症急性膵炎では85%の患者さんが入院前と同じ状態にまで回復しているものの、2.8%の患者さんは仕事を軽いものに変えたほか、5.1%の患者さんは仕事に復帰出来ず、5.1%の患者さんは身の回りのことに時々介護が必要な状態となっています。
表5. 重症急性膵炎患者の社会復帰の状況

転帰
%
入院前と同じ生活状況
85.0%
膵炎後、職業を軽いものに変更した
2.8%
膵炎後、仕事は出来ないが、身の回りのことは出来る
5.1%
膵炎後、身の回りのことに時々介護が必要になった
5.1%
膵炎後、ほとんどのことに介護が必要になった
2.0%
‖公費負担制度
厚生労働省の難病対策事業の一つとして、特定疾患治療研究事業、すなわち医療費の公費負担制度があります。本制度は、重篤あるいは稀少性のある難病に対して、医療費の自己負担を軽減する事業で、重症急性膵炎はその対象疾患の一つです。患者またはその家族が「特定疾患医療費受給者証交付申請書」と「住民票」、さらに担当医師が記載した「臨床調査個人票」を添えて患者の居住地を管轄する保健所、あるいは県庁へ申請します(どちらへ申請するか は地域によって異なっています)。認可されると、原則として6か月間の医療保険の自己負担分を、国と都道府県とで折半して負担します。なお、届け出た日からの患者自己負担分の医療費が公費負担の対象となるため、申請を急いで行う必要があります。さらに、本制度における重症急性膵炎の定義は厚生労働省の重症度診断基準に基づくことに留意する必要があります。なお、重症急性膵炎に対する医療費受給者証の更新を申請出来るのは、1) 膵膿瘍、2)膵周囲膿瘍、3)膵液瘻、4)腸瘻のいずれかに該当し、更新理由が明記されている場合のみです。消化吸収障害や糖尿病の治療目的などは更新理由に該当しません。申請された更新理由を参考にして各都道府県の特定疾患審査会で審査し、審査会の審査結果に基づいて各都道府県が決定します。
‖最近のトピックス
「急性膵炎診療ガイドライン2010」では、膵炎診療上重要と思われる臨床指標が、“Pancreatitis Bundle”として提起されています。
表6. Pancreatitis Bundle
急性膵炎では特殊な状況以外では原則的にすべての項が実施されることが望ましく、実施の有無を診療録に記載する。

1.急性膵炎診断時、診断から24時間以内、および、24~48時間の各々の時間帯で、厚生労働省重度判定基準を用いて重症度を繰り返し評価する。
2.重症急性膵炎では、診断後3時間以内に、適切な施設への搬送を検討する。
3.急性膵炎では、診断後3時間以内に、病歴、血液検査、画像検査などを用いて、膵炎の成因を鑑別する。
4.胆石性膵炎のうち、胆管炎合併例、黄疸の出現または増悪などの胆道通過障害の遷延を疑う症例には、早期のERC+ESの施行を検討する。
5.重症急性膵炎の治療を行う施設では、造影可能な重症膵炎症例では、初療後3時間以内に、造影CTを行い、膵不染域や病変の広がり等を検討し、CT Gradeによる重症度判定を行う。
6.急性膵炎では発症後48時間以内は、十分な輸液とモニタリングを行い、平均血圧:拡張期血圧+(収縮期血圧―拡張期血圧)3:65 mmHg以上、尿量 0.5ml/kg/h以上を維持する。
7.急性膵炎では疼痛のコントロールを行う。
8.重症急性膵炎では24時間以内に広域スペクトラムの抗菌薬を予防的に投与する。
9.重症急性膵炎では、重症膵炎と診断後可及的速やかに(2日以内に)公費申請の申請書類を患者の代諾者に渡す。
10.胆石性膵炎で胆嚢結石を有する場合には、膵炎鎮静化後、胆嚢摘出術を行う。




















    

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